『パラサイト』

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パラサイト

話題の韓国映画の『パラサイト』を吉祥寺オデヲンで観てきた。

米国アカデミー賞とカンヌ・パルムドールを受賞しているので、

どんなものだろうかという好奇心で観に行ったのだが、

とにかく凄い映画だった。

ここからはネタバレ注意。

半地下に住む全員無職のある4人家族がふとしたことをきっかけに

坂の上の豪邸に住むあるブルジョワ家族の元で4人全員が働き始める。

そこで4人家族が働く前に働いていた元家政婦が、

夫をその豪邸の地下に住まわせていたことが分かる。

4人家族よりもさらに貧乏で不自由な環境に住んでいる人が

半地下よりもひどい地下で過ごしていたという訳だ。

ブルジョワ家族はその地下のことを知らなかったので、

彼らを知るのは4人家族と元家政婦夫婦だけ。

元家政婦は4人家族が身分を偽ってブルジョワ家族の元で

働いていることを知り、それを雇い主であるブルジョワの主人に

バラそうとする。

そこで4人家族は元家政婦夫婦を地下に閉じ込める訳だが、

同時にブルジョワ家族の主人から何気ない差別意識を持たれていることも知る。

それが半地下の匂いだ。

これがポイントになる。

主人はその匂いが半地下の匂いだとは気づいていないのだが、

それに対する嫌悪感を感じていた。

そのような中、ブルジョワ家族が息子の誕生日パーティを開くのだが、

地下に閉じ込めた元家政婦の夫が凶器を持ってパーティに乱入する。

彼は4人家族を殺そうとする訳だが、娘を殺したところで母親に返り討ちにあう。

ブルジョワ家族も巻き込まれるのだが、その主人が刺された息子を病院に

運ぼうとして車の鍵を4人家族の父親から受け取ろうとする際に

殺された元家政婦の夫の匂いが我慢できないというようなそぶりを見せる。

それを見た父親が反射的に主人を殺してしまう。

結局4人家族はバラバラになり、裁判沙汰にもなるのだが、

父親は現場から逃げてしまう。

なんとその逃げ込んだ先が豪邸の地下だったのだ。

最後は、匂いと差別意識を繋げて韓国の格差社会、差別社会を明らかにしたのだろう。

韓国らしいというかジェットコースターに乗っているかのような映画で

観ていて疲れたのだが、観客に訴えかけるメッセージ性もあって

とにかく凄い映画だった。