『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』堀田秀吾著

いわゆる自己啓発本はなるべく読まないようにしたいと決めていたのだが、

最近どうしても考えすぎから不安になることが多く、ついこの本を手にとった。

タイトルの通り、最先端の研究を元に考えすぎてしまう癖を修正する方法が

述べられている。

考えすぎると不安になったり、悩みが深くなる。

すると、幸福にはならない。幸福になるためにも考えすぎないようにすることは必要。

そして、幸福に必要なことは心身が集中することであるという。

集中しているときは他のことを考えない充実した時間を過ごしているからである。

集中するためにはやる気の起きない「嫌だなぁ」と思う時間を減らし、

さっさと作業に移ってしまうことなのだ。

また、ぼーっとしているときのほうが脳はよく働いているらしい。

脳の特定の部位だけが活発になってしまうと、他の部位との有機的なつながりからの

イデアが生まれなくなるということである。

さらに、情報が多すぎたり、検討する時間が長すぎたりすると、物事をシンプルに

大局的に考えられなくなるため、最適な選択ができなくなるという研究結果もある。

そして、決断する段階においては、「どう決めるか」より「決められるかどうか」、

つまり、やるにしろやらないにしろ決断して腹をくくれるかどうかが重要で、

人生の満足度を大きく左右するのである。

お金と幸福の関係についても記述がある。焦ってお金を増やそうとすると、

お金を失った時に大きな恐怖を感じるし、「このお金を失ったらどうしよう」と

不安になり、身近にある幸福を感じられなくなるのだという。

また、ネガティブな気持ちがするときはネガティブな情報から離れることが重要。

もしくは、ネガティブになったら、10数えることで冷静に戻れる。

他にも、感情は日記をつける要領で言語化することで、

コントロールできるようになるらしい。

ネガティブな感情だけでなく衝動的な欲求にも効果があるのが「タッピング」。

額を手の指全体でトントントンと軽く叩くように30秒行う。衝動が半減するという

研究結果もあるようだ。

物事に集中したり、うまくやるには、好みの似た人の真似をすることが

効果的であるとのこと。「優秀な人ほど自分の好みに似た人を素早く見つけ、

その意見を参考にしてさっと決断する」という報告もある。

集中するのにも限界があるがそうした時は、小休止することだ。コツは、なるべく

考え事をしないで「ボーッとする」ことである。

他にも子犬や子猫などの写真を見て「かわいい」と感じることで、

集中力が戻ってくるとも。

幸福についても。

明るくハッピーな友人がいる人は幸福を感じる傾向にある。

笑顔でいるなど、身体の動き次第で思考を変えることができるのだという。

様々な感情が湧き上がってくる人の方が精神衛生的にも健康で、幸福度が高い。

知力の高い人は観察力が高いので、人を信用できるかどうかを見抜く能力があり、

その力により信頼できる人を選んでいるので、人を疑う必要がないのではないか

とも言われている。

以上、主に集中と幸福についての研究を紹介している。