『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』前野隆司著

幸せについて、今まで真剣に考えることは無かったような気がする。

現在、果たして自分は幸せだろうか。

率直に言うと微妙なところである。

現状、仕事以外では不満なことはそこまではない。

ただし、仕事について言えば、正直不満ではある。

では、自分はどうすれば幸せになるのだろうか。

もっとやりがいのある仕事をするのか。給料の高い仕事を探すか。

この本には幸せについての研究が簡単にまとめられている。

まず、幸福は抽象的で壮大である。だから、幸福を因数分解して、

具体的な目標に落とし込むことが必要になる。

そして、自分は何が面白くて、何を求めているかを明確にわかっている人こそ、

幸せな傾向にある。

アインシュタインも言っている。「誰もが天才だ。しかし、魚の能力を木登りで測ったら、

魚は一生、ダメだと信じて生きることになるだろう」。魚は魚らしく自分で

才能を見つけなければならないのである。

しかし、人間は「フォーカシング・イリュージョン」といって幻想、つまり間違ったことに

焦点を当ててしまうことがある。実際は幸福には繋がらないことに焦点を当てて

それを目指してしまうと言うことだ。

アメリカの研究では年収1,000万円までは金額と幸福は相関関係にあるが、

それ以上は幸福度は上がらないと言う。

それでも人はひたすら金額を追い求めてしまうと言うことだ。

マズローの欲求の5段階説(生理的欲求、安全欲求、愛情・所属欲求、尊厳欲求、

自己実現欲求)によれば、収入がある程度になれば、次は愛情・所属欲求を求めるようになる

と言うことだ。

次に、幸せの心的因子を4つ挙げている。1つ目が「やってみよう因子(自己実現と成長)」。

2つ目が「ありがとう因子(つながりと感謝)」。3つ目が「何とかなる因子

(前向きと楽観)」。4つ目が「あなたらしく因子(独立とマイペース)」。

これらは4つ揃うと幸せになる。

幸せになりたいと思ったら、まずは自己実現と成長を目指すべきなのだ。

次に多様な友達を持つことが幸せにつながっている。

また、美しいものを鑑賞する人より、それを想像する人の方が幸せになるのだと言う。

自分の幸せ探しのためにやるべきことがあるのだ。