『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』藤吉豊・小川真理子著

編集プロダクションの編集者がまとめた文章術ベストセラーのポイント。

自分が大切だと思ったポイントを以下、挙げていく。

・頭の中に浮かんできたことを浮かんだ順番で書くより、型に合わせて書いた方が、

伝わりやすい文章になる。

型①逆三角形型;結論⇨説明

実用文書向き。

型②PREP法;結論⇨理由⇨具体例⇨結論

実用文書向き。

型③三段型;序論⇨本論⇨結論

論文向き。

・文章は必ず推敲する。ポイントは4つ。時間を置く(最低でもひと晩)、

プリントアウトする、音読、他者の目を入れる。

・比喩・例え話を積極的に入れる。使いやすいのは、直喩、隠喩、擬人法。

・思いつきはメモに、思考はノートにどんどん書く。

・文章の要は何かといえば、自分の心の中にあること、自分のいいたいと思うことを、

出来るだけその通りに、かつ明瞭に伝えることにある。

・自分がこれだと思う名文の本は繰り返し読む。

・文章が稚拙にならないように類語辞典を用意する。

・とにかく書く、たくさん書く。

・ターゲットの読み手を設定する。

・文章が上手くなるには、6割の人生観と4割の情報とテクニックが必要。

・考えるために書く。書くことで考えがまとまる。

・過去形と現在形を混ぜると、文章が生き生きする。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

昨年大ブームになった「鬼滅の刃」の映画。

日本映画史上最も売れた映画である。

漫画は全巻持っており、アニメも全編すでに見終わっていた。

戦いのシーンがカッコ良い。

そして、煉獄さんの心意気が何より良かった。

柱として、格下の隊員や一般人を守ろうとする姿。

母親に「強く生まれたのだから、弱い人を助けなさい」と言われ、それを実践する姿。

「鬼にならないか」と誘われても「お前とは価値観が違う」と突っぱねる姿。

初志貫徹する姿はあこがれも感じる。

『銀河鉄道の父』門井慶喜著

宮沢賢治の父親・政次郎の視点で宮沢家の日々を描いた小説。

2018年に直木賞を受賞している。

政次郎は息子を溺愛している。「父親すぎる」父親であった。

自分が病気になるのも厭わずに息子の看護をしたり、

息子の東京に行きたいと言うわがままも聞き入れ、金の無心もすぐにする。

兎に角、甘い父親なのである。

著者自身がもしかしたらこれに近い感情を父親として抱いているからなのかもしれない。

この父親を通して、宮沢賢治という童話作家・詩人の姿が浮き彫りにされている。

宮沢賢治はわがままで、妹思い、頭は良いが、宗教に入れ込んだり、

人造宝石を作ろうと目論んだりと妙なものに凝る癖がある。

文章を書く才能は妹に劣るが、子供向けのストーリーを考える才能は飛び抜けている。

それで学校の先生になったのだが、病気がちだったのもあり、

退職し、自給自足の生活をしながら童話や詩を書くのだが、

結核になり、若くして亡くなってしまう。

父親は、当時の世相的には家長制度により、父親の威厳を保ちたいところではあるのだが、

どうしてもこの息子をサポートしてあげたい気持ちが強く、つい甘やかしてしまう。

その愛情は最終的には息子の才能を大いに伸ばすことには繋がっているのだが、

果たして彼の幸せには結びついたのだろうか。

息子の葛藤を描かず、父親の一方的な愛情から本書が書かれたことで、

面白い視点での小説にはなっているが、どのように『銀河鉄道の夜』が

生み出されたかを描くまでには至っていない。

ただ、全体を通してよく資料など調べられているなということは感じられた。

この下調べだけでも相当な時間がかけられていたに違いない。

『漂流』角幡唯介著

1994年、沖縄のマグロ漁師・本村実はフィリピン人船員らとともに37日間会場を

漂流したのち、奇跡的に通りがかった船に助けられて生還を果たした。

しかし、彼は8年後、再び漁に出て、今度は二度と戻らなかった。

沖縄の伊良部島にある佐良浜の漁師であった彼は海とは切っても切れない強い結びつきに

あったのかもしれない。だから一度大変な目にあっても再び海に出ることを決意したのだ。

ただ、その結びつきも海に魅せられたからと言うよりかは、佐良浜の漁師が歴史的に

海と離れられない運命にあるかのような生活を送ってきたことによるところが

あるかもしれない。

補陀落僧と言われる、民衆を浄土に導くために渡海した僧侶が起源と言われる佐良浜の民。

当時禁止されていたダイナマイト漁。

南方カツオ漁による荒稼ぎとフィリピンなどでの現地妻。

陸の人間には分からない海の民としての彼らの血が本村にも流れていたのだ。

本村は最初の漂流では船長であったのだが、食料や水がなくなった時に

同乗していたフィリピン人船員らから途中殺されて食われるかもしれないと言う

ところまで行っていたそう。ただ、フィリピン人たちもそんな力が残っていなかったので

結局はそうもならなかったようであるが。

本村が生還したのは決して英雄的なことではなく、

海上での失敗があったから漂流していたのであって、助けられたのも幸運なだけだった、

と言うのが海の民の視点であるので、生き恥を晒していることになるのだった。

板一枚下は地獄と言われる海に生きる民と、そこを漂流と言う命のギリギリのところを

行った人間と海との宿業とも言うべきつながり。

自分には中々分かり得ない世界かもしれない。

『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』前野隆司著

幸せについて、今まで真剣に考えることは無かったような気がする。

現在、果たして自分は幸せだろうか。

率直に言うと微妙なところである。

現状、仕事以外では不満なことはそこまではない。

ただし、仕事について言えば、正直不満ではある。

では、自分はどうすれば幸せになるのだろうか。

もっとやりがいのある仕事をするのか。給料の高い仕事を探すか。

この本には幸せについての研究が簡単にまとめられている。

まず、幸福は抽象的で壮大である。だから、幸福を因数分解して、

具体的な目標に落とし込むことが必要になる。

そして、自分は何が面白くて、何を求めているかを明確にわかっている人こそ、

幸せな傾向にある。

アインシュタインも言っている。「誰もが天才だ。しかし、魚の能力を木登りで測ったら、

魚は一生、ダメだと信じて生きることになるだろう」。魚は魚らしく自分で

才能を見つけなければならないのである。

しかし、人間は「フォーカシング・イリュージョン」といって幻想、つまり間違ったことに

焦点を当ててしまうことがある。実際は幸福には繋がらないことに焦点を当てて

それを目指してしまうと言うことだ。

アメリカの研究では年収1,000万円までは金額と幸福は相関関係にあるが、

それ以上は幸福度は上がらないと言う。

それでも人はひたすら金額を追い求めてしまうと言うことだ。

マズローの欲求の5段階説(生理的欲求、安全欲求、愛情・所属欲求、尊厳欲求、

自己実現欲求)によれば、収入がある程度になれば、次は愛情・所属欲求を求めるようになる

と言うことだ。

次に、幸せの心的因子を4つ挙げている。1つ目が「やってみよう因子(自己実現と成長)」。

2つ目が「ありがとう因子(つながりと感謝)」。3つ目が「何とかなる因子

(前向きと楽観)」。4つ目が「あなたらしく因子(独立とマイペース)」。

これらは4つ揃うと幸せになる。

幸せになりたいと思ったら、まずは自己実現と成長を目指すべきなのだ。

次に多様な友達を持つことが幸せにつながっている。

また、美しいものを鑑賞する人より、それを想像する人の方が幸せになるのだと言う。

自分の幸せ探しのためにやるべきことがあるのだ。

『ライフ』

2017年公開のアメリカのSFホラー映画。

真田広之も出演している。

ISS国際宇宙ステーション)を舞台に火星から採取した

地球外生命体(初めは小さな細胞)が、実は知能を持っており、

ISS内の宇宙飛行士を次々と襲う話。

最後は残った二人の宇宙飛行士のうち、一人が自ら犠牲となって、

その生命体を脱出用のポッドに閉じ込めて、共に宇宙の彼方へ飛び立ち、

もう一人の宇宙飛行士はもう一つの脱出ポッドで地球に帰るという作戦を

実行することになるのだが、地球外生命体がそれを阻止して、

地球に帰還するのは地球外生命体の方だったというオチ。