『物忘れがなくなる脳の習慣』ホームライフ取材班編

母親が少し物忘れすることが多くなっているのと、自分も仕事で記憶が曖昧なことが

ままあることから本書を電子書籍で手に取った。

仕事上で使用するような記憶というとワーキングメモリ(作業記憶)。短期記憶とは

違って作業や行動をしながらごく短時間のみ記憶する働きをする。ワーキングメモリを

鍛えるには料理が一番である。また、会話も同様にワーキングメモリをフル回転させる。

脳を若く活性化した状態に保ちたいのならワクワク、ドキドキすることで「ドーパミン」を

出すことが有効である。ハンドマッサージをすると脳の血流が明らかに良くなり、ドーパミン

も分泌される。耳たぶのマッサージも同様だ。

また、「面倒くさい」と思うのをやめると物忘れは改善される。

「ながらスマホ」は情報量が多くて脳に負担が大きくかかるので、脳は疲れてしまう。

脳はむしろ「ぼんやり休んでいる時」に情報処理をする。何かを覚えたい時は、休み休み

行うほうが、ずっと効率よく記憶できるのだ。

思い出す能力を衰えさせないために、3日前の食事を思い出すことを日々の習慣にすることも

有効だ。また、夜、お風呂の中で今日1日どういったことがあったのか、朝から順番に振り

返ってみることも有効だ。

記憶を定着させるための方法として、思い出すときに誰かにその内容を話すということが

有効な方法である。

高血糖は物忘れやアルツハイマー認知症にも深くかかわっている。インスリンが大量に

あると、酵素はその分解に追われて、アルツハイマーの原因のアミロイドベータにまで

手が回らなくなるからだ。また、歯でしっかり噛むことも記憶力と結びついている。よく

噛むほど脳の血流が良くなり、活性化されていくのだ。

よくスーパーで閉店間際などにしなびた野菜が安売りされているが、野菜はやっぱり

新鮮なものでないと脳の有害物質を退治する力が弱まってしまうので注意だ。

大豆食品は脳梗塞心筋梗塞、認知機能のリスクを抑える。

鶏むね肉やささみには「イミダゾールペプチド」という特殊なアミノ酸が豊富に

含まれており、これは脳の疲労回復や前頭前野の萎縮を抑える効果がある。

また、有酸素運動は酸素がたっぷり含まれた血液が脳に絶えず送り込まれるので、

脳に好影響がある。脳に効果が大きいのは早足ウォーキング(大股歩き)である。

睡眠がしっかり取れていることも物忘れを防ぐのには有効だ。特に「徐波睡眠」と

呼ばれる深い眠りをしっかり取ることで記憶力は高まる。

お酒は1日に缶ビール1本以下が認知機能の低下が最も少なくて済む。

音読することもワーキングメモリをよく働かせる効果がある。